直線上に配置

むべ,あけび
(琵琶湖の周辺(25))
(平成16年4月29日,5月14日,平成23年6月12日,令和3年11月7日 追加

  令和3年11月7日 むべを初めて食べました。味は?・・・以下↓に記しています
 近江八幡市で,むべなるかなということばに由来する「むべ」の木と花を見てきました。 

 
むべ」は,アケビ科のつる性低木常緑樹で,白い花を多数つけていました。その昔,天智天皇が「むべなるかな!」と仰せられたのは,その赤い実であったことが分かりました。 

 
当地では,宮司の深井さんを中心に「むべ」をもとに地域起こしに取りくみ,例年11月には天智天皇を御祭神とする近江神宮(大津市)に宮司さん自ら届けておられます。

「むべ」のいわれは以下↓に記しています。



 ここは近江八幡市北津田町にあり,標識には,
大嶋神社奥津嶋神社が並んで書かれています。また,第13代成務天皇即位の年(131年)に始まるとされ,今年(平成30年)は1987年めにあたり,非常に由緒のある神社です。

 
 
この神社は,拝殿の後ろに2つの本殿があります。
      (正面から見ると1つの屋根ですが,・・・・屋根が2つあります。)
    ↓(表側から見たところ) (裏側から見たところ)
 左は大嶋神社で大國主命(おおくにぬしのみこと),右は奥津嶋神社で,奥津嶋比賣命(おくつしまひめのみこと)を祀ってあります。 木造の大國主尊座像等は,国指定の重要文化財となっています。

 「むべ」の木は近隣の山(奥島山)に多くあるそうですが,この神社では数株が植えられており,たくさんの白い花をつけていました。葉はアケビのそれに似ていますが,少し違います(下記参考)。


(下の絵馬は深井宮司さんに頂き,話を聞きました)

<絵馬の表側>
 
<<
むべのいわれ>>
 
その昔(大津に都があった時代:667年〜672年),天智天皇が「蒲生野(がもうの)」(=湖東地方;愛知川と日野川の間の地域)に御遊猟に出かけられた際,この地に立ち寄られ,8人の男児をもつ元気な老夫婦に出会い,「汝ら,いかに斯く長寿ぞ?」と尋ねられたそうです。

 そこで老夫婦が,「この地で採れる,この実を食べているためです。」と説明したところ,「
むべなるかな(なるほど。それはもっともなことだ。)。斯くの如き霊果は,例年貢進せよ。」と仰せられたのです。
(この話は,延喜式という書物の「宮内省/諸国例貢御贄
(しょこくれいくみにえ)」の段にも記されているそうです。)

 それ以来,この果実を「むべ」と称し,例年11月に宮中へ献上するようになったそうです(現在は,天智天皇を御祭神とする近江神宮<大津市>に宮司さん自ら届けているとのこと。)。

(参考)
大津宮(大津京)天智天皇についての記述は,⇒こちらにあります。

<絵馬の裏側>


 絵馬の裏には,明治天皇が北陸に巡幸された時,当時の滋賀県令(県知事)が「むべ」を献上し,詠んだという歌が記されています。

−−「大君(天皇)にささけ(げ)し「むべ」は古き代乃ためし(世の例し)をしたふ(慕う)民のまこころ(真心)」−−
 
<滋賀懸令 篠手田安定 弘斎謹書>


 
むべ」は上の絵馬のように,鶏卵より少し小さい赤紫色の実で,内部はキウィのようになっており,やや甘い味であるとのこと。アケビの実とも少し違うようです。そこで,うーむ,むべなるかなと思ってしまいます。
 秋にはぜひ見てみたいものです。


 
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 <平成17年10月15日>
 同じ場所で,むべの実の写真を撮ることができました。

 ただ,赤みのある実は右の3個だけで,ほとんど(10個以上)はまだ青い状態でした。
収穫にはまだ早いようです。
今度は一度たべてみたいものです。
       

<令和2年10月12日>       
おうみ845 
不老長寿の果実 むべ献上へ
NHK-TV(2020,10,12)から引

今年(2020年)も,むべが深井宮司さんらにより,皇室に献上されました。







 
   

 <令和3年11月7日>    

 むべの苗をディオワールド(草津)で発見し,家の横に植えてから7年目に実をつけました。熟してきたので,食しました。

 中味は種が多かったですが,甘い柿の味がして,おいしかったです。
   
   
 長径80mm,短径55mmでした。
   

<参考>
アケビ科には,(1)
ゴヨウアケビ(通常のアケビ),(2)ミツバアケビ,(3)むべが属します。
このうち,ゴヨウアケビは5枚葉で,ミツバアケビは3枚葉です。
通常のアケビの花を以下に示します。
アケビは雌雄同株(1株に雄花と雌花をつける)で,
それらは受粉しないため,実をつけさせるには,違う種類を接近させて育てると良いようです。

* *
(左)雌花の花が落ちアケビの実ができています。
(右)白い花の雄花です。↑ 
アケビの実がたくさんできています。今後,これらが全部そのまま大きくなるとは限りませんが,それでもかなりの実をつけそうです。 通常のアケビの花です。昨年と同じ場所です。今年もたくさんの実を付けそうです。
(2004,5 岐阜県下呂市にて) (2005,4 下呂市にて)
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ゴヨウアケビ(5枚葉)です。
(2005,5,5 家の前で)
ゴヨウアケビの横に植えたミツバアケビ(3枚葉)です。
葉の形が違います。紫色の実ができるはずですが,今年は
ついていません。
(2005,5,5 家の前で)
         
   ゴヨウアケビ
(2011,5,4 家の前で)
  ミツバアケビ 
(同左,色が違います)
 左の部分にミツバアケビができました。植えてから7年目です(^^)。
(2011,6,12 家の前で)

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