石塔寺
(琵琶湖の周辺(75))

 
令和3年11月17日,滋賀県東近江市石塔寺に行ってきました。

 ここは,奈良時代の天台宗寺院で,聖徳太子によって開かれたとされるところです。
日本で
最古・最大(高さ7.5m)という三重の石塔があり,国の重要文化財となっています。

 滋賀県には石の文化があり,仏教関連の多くの石の建造物があります。
この三重の塔もその一つです。

 この地は,大津に都を定めた天智天皇が白村江の戦い(663年)で大敗して帰還した際に,数百名もの百済人を亡命させ住まわせた地域(蒲生野)なので,この塔もそれらの人々によって造られたようです。

 
白洲正子さんはこの地も訪れていて,「近江山河抄」に書いています。

天智天皇の二年には,百済が滅び,再び多くの帰化人がこの地に移住した。当時の遺品の一つに,有名な石塔寺の三重の塔がある。それについては今までに何度も書いたことがあるので,説明は省きたいが,私は日本一の石塔だと信じている。朝鮮系の石工が造ったことに間違いはないが,朝鮮にある塔とは微妙な違いがあり,日本の美術品と解してさし支えないと思う。どこが違うとははっきりいうことはできないけれど,全体の感じが柔らかく,しっとりとして,たとえば高麗の茶碗に似た味わいがある。

   
   
 
   
   
       
 
   
   
         
     (158段の石段のわきには五輪塔や石仏が)

   
 
 
   
 (階段を登りきったところが平地になっていて,多くの
石仏・五輪塔に囲まれて,大きな石塔がありました。)
   (高さ7.5mの石塔,国の重要文化財に
選定されています)
   
 
 
<参考文献>
1 「近江山河抄」:白洲正子著,駸々堂出版発行,1974.2 
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